読書感想文のポイント!? 小学校高学年の部 「うそつき大ちゃん」


 小学校高学年の課題図書。ちょうど登場人物たちが小学6年生。かっこつけたり、みんなでなれあったり、本気になることは、バカらしいぜ!…なんて思い込んでしまう年頃です。そんな年頃のキミたちのあらわれである主人公、健太の言葉や気持ちに納得してしまう子も多いでしょうね。

4591087204 うそつき大ちゃん
阿部 夏丸
ポプラ社 2005-07

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 そんな健太を変えてくれた自分に素直な大ちゃんをはじめ、女の子だってそう思うんだって教えてくれるすてきな夏葉さん。大ちゃんとはまったく正反対にいる存在なのに、川をきっかけにどんどん変わっていく敬一くん。生き生きとした登場人物たちがとても魅力的に思えてきます。かつては少年だったわたしも昔を思い出しながら、わくわくどきどき、一気に読んでしまいましたよ(^^ゞ

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キミはどの登場人物の言葉が響いたかな?

 この本には、心に響く言葉がたくさんちりばめられています。そんな言葉を抜き出してみよう。そして考えてみよう。なぜその言葉が心に響いたのかな。それがキミのこの本から受け止めたメッセージだと思うよ。

 わたしの場合は、こんな言葉たち。きっと大介をきっかけにかわっていく主人公たちが、うらやましいんだろうな。それは大人になった自分が、自分で体験してもいないことを信じ込んでいたり、自分自身の良さを探そうとしていないからかなぁ。きっと変わっていく健太がうらやましくて、最後まで一気に読んでしまったのかな、なんて思いました。実はうそつきって自分なのかもしれない。ああ、あのころに戻りたい!なんてね(^^ゞ

健太の言葉

  • 感じたことをストレートに言える大介が心の底からうらやましいと思い、なにもいえない自分が正直情けなかった。(P114)
  • ぼくも大介と遊ぶようになるまでは、いつも、みんなから気に入られるように立ち回っていた。敬一を見てイライラするのは、そんな自分が思い出されるからなのだろうか。(P157)
  • あの頃の方が友達はたくさんいたと思っていたのに、こんな風にひとりひとりのことを深く考えたことはなかった。(P188)
  • 相手を見ていなければ、自分自信も見ていなかったような気がする。それが今、少しずつだが、自分を見つめようとしている。(P271)
  • あの水槽が、おもしろいのは、いろんなやつがいたからだ。(P272)

夏葉の言葉

  • でもさ、疲れるよね。みんなにあわせて演技するのって。だんだん、自分が見えなくなっちゃう。(P125)
  • 似てないところを探すより、似てるとこ探す方が楽しいよ。だって似ているところを見つけると安心できるし…。だけど反対に自分と違うところは、魅力的に思えるわよね。(P188)
  • 自分の欠点だと思っているところを全部才能だ、個性だって考えるの。そうするとだんだん自分のことが好きになれるんだって。(P190)

大介の言葉

  • だってまっすぐ歩くなんてつまんないよ。よこみちにそれた方がいろんなものが発見できるし(P46)

 どんな言葉が気になったのか。それはなぜなのか。自分だったらどうなのか。同じなのか違うのか。それはどのように同じなのか、違うのか。メモにまとめてみよう。

 そのメモをたどっていくと、キミがこの本を読んで一番心に残ったことが浮かんでくるはず。それは「大介みたいになりたいな」っていう健太と同じ気持ちなのか、それとも「夏葉みたいに素直になりたいな」っていうあこがれの気持ちなのかな。そのことについて、感想文としてまとめてみたらいいと思うよ。

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