読書感想文の書き方を紹介 (from 宮川俊彦先生)
30年におよび青少年の作文・表現教育活動を実践する国語作文教育研究所所長 宮川俊彦氏。ドラゼミのとっちゃんまん先生としても有名ですね。
読書感想文おたすけブック〈2006年度版〉―宮川俊彦の緊急特別授業 宮川 俊彦 小学館 2006-06 by G-Tools |
宮川先生が教えてくれる読書感想文の書き方。書かれた本はいろいろありますが、共通するのはことばの使い方や技術を教えてくれるところ。 そのエッセンスを簡単に紹介します。
読書感想文は自分の意見文
自分の意見や考えを語っていくことが、読書感想文のテーマ。自分の語ろうとしていることを、目の前においてある本の中から導き出していかなければいけないんだ。つまり読書感想文は自分の意見文であり、「おもしろかった」「かなしかった」という感想文ではないことを理解しよう。
意見は3つ
賛成、反対、それ以外 意見はこの3つしかない。どの立場に立って書いていくのかきちんと自分の立ち位置を決めることは大切。
意見文を書くための5つのビックポイント
- 自分の意見
- なぜなら
- たとえば
- もしも
- だから
- 自分は○○だと思う。
- なぜなら△△だから。
- たとえば××ならどうだろうか。
- もしも◎◎ならどうだろうか。
- だから自分は○○だと思う。
自分の意見をきちんと伝えて、理解してもらうためには、「たとえば」「もしも」をいっぱいあげていくこと。その材料は、文章の部分的な筋や人の行い、言葉をつまみ出していけばいい。つまり自分の意見にあった場面や行動だけをとりだせばいい。本の全体の話の流れにこだわって、本に振り回されないように注意する。
どの段階までテーマを掘り下げるか
ひとつのテーマをどの段階で踏みとどまって書くか、それが読書感想文の中身を決めていく。
読書感想文の書き方
ひたすら読みきる
まず読むこと。ひたすら読めばいい。その本を楽しむために読む。ただし一気に読みきることが大事。
話を思い返してみる
話のあらすじや流れが分かったら、1日か2日ボケッとして頭の中で思い返してみる。つぎつぎ思い起こして想像してみる。するとあなたの頭の中にひっかかっている場面やことばがどんどん動き出す。あなたの経験や気持ちが思い出されてくる。そうなったら次の段階にすすんでいこう。
テーマを決めて再び読む
次は読書感想文のために読む。大切なのはテーマを決めて読むこと。テーマとは、この話はいったい何をめぐって語られているのかということ。戦争の悲惨さなのか、家族の愛の深さなのか。それを見つけ出しておいて、それだけを考えて読んでいくこと。
書くべきことは「の」と「さ」
書くべきことは2つ。
ひとつは、君の読み方、君の感じ方、君の捕え方、君なりの言葉の使い方、君なりの受け止め方、君自身のさまざまな「の」をかいていくこと。本の登場人物の気持ちだけ書いてたり、新聞やテレビから受け売りの言葉を書いてもぜんぜん響かない。
もうひとつは、おもしろさ、楽しさ、悲しさ、君の感じた「さ」をかくこと。それはできるだけ具体的に書いていくこと。具体的でなければ、読んだ人には理解することはできないから。
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