読書感想文のポイント 「平和の種をまく」 小学校高学年の部


昨年の課題図書「オシムの言葉」では、平和な生活が一転して戦争に突入していく姿を知りました。ひとつのチームだった代表チームが民族主義をあおるメディアに翻弄され、そして崩壊していく。普通にいってらっしゃい、と送り出した妻と何年も会えない。それまで隣人だった人たちが殺しあう悲しさ、理不尽さがオシムの少ない言葉から伝わってきました。

4265006280 平和の種をまく―ボスニアの少女エミナ
大塚 敦子
岩崎書店  2006-05

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この本では、戦争の後の姿を知りました。農作業を通じて再び心通い合わせる姿と、それでもまだ癒えない深い心の傷が伝わってきました。

表紙のエミナはボスアニク、ナダはセルビア人。仲のよい二人の笑顔がこのまま続きますように・・・。

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日本で戦争が起こったら

日本でもし戦争が起こってしまったら、あなたの生活はどうなるでしょうか?

ボスニアでは3年半の間、戦いが続き25万人以上の人が死んでしまいました。家は破壊され、収入はなくなり、生活するのもやっとな状態になってしまいました。便利な生活をあたりまえのようにできる今の日本ではなかなか想像ができません。

不便な生活だけではありません。あなたの家族や友達はどうなってしまうでしょう。エミナの家族のお話やセイダおばさん、ドブリラおばさんのお話から想像できるのではないでしょうか。

日本でもし戦争が起こってしまったら・・・。この本を読んで創造したこと、考えてみたことを感想文にまとめてみましょう。

人と人を結びつける緑の力

なぜ畑仕事が平和づくりにつながるのでしょうか?

畑では、たくさんの友情が生まれて育っています。この試みはコミュニティ・ガーデンといわれています。それぞれの民族集団に閉じこもっていた人たちが出会える場所としてなくてはならないものになっています。

野菜やくだものって考えてみると不思議ですね。ちいさな種がきれいな花や大きな実になっていきます。大地の栄養、太陽の光、空からの恵みの雨、そして育てる人たちの愛情をたっぷり受けて大きく育っていきます。

あなたは畑で野菜を育てた経験はありますか?またはお花を育てたことはありますか?大変でしたか?楽しかったですか?それはひとりでできましたか?

人と人を結びつける緑の力について、ボスニアのとりくみと自分の経験を比べてみてはどうでしょうか。

戦争を起こさないために

どうしたら戦争が起きないと思いますか?

民族や宗教の違いで戦争が起こるといわれます。しかし、ボスニアでは民族や宗教が違っていても50年にわたって平和に暮らしてきました。6つの民族、4つの言語、3つの宗教がひとつの国で共存できていたのです。

普通の人は戦争なんて望んでいなかったのに、誰かがあおることで戦争が始まってしまいました。それもはっきりと理由はわかりません。何かが少しずつおかしくなっていき、戦争につながっていったようです。

エミナは考えます。戦争にならないようにするにはどうしたらいいか・・・。

それは、みんなが友達になること。国や民族が違う人たちとも、自分と意見が違う人たちとも、いっしょに楽しいことを、たくさんすれば、友達になればいいんだ。

相手がよくわからないから、不安だから戦争する。世界のあちこちでこんな理由で戦争につながっています。日本でも同じようにわからない理解できない相手をあおるような流れは見られます。その先には戦争がぼんやりと見えているかもしれません。

戦争をおこさないためにどうすればいいでしょうか。それはあなたでもできることではないでしょうか・・・。

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